観光士、観光コーディネーターの認定は、わが国では唯一、日本観光士会がその資格認定を行っています。

JTCC日本観光コーディネーター協会



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観光業界のマネジメント人材の育成 

『観光士』が求められる背景

「観光士」の資格は、日本観光士会が認定するわが国唯一の資格です。NPO、社団法人として20年の実績と信頼から培った当協会の認定する観光士認定試験は、当協会の認定する資格試験により、資格認定を行うものです。 「観光士」の資格は、マネジメント職の人材育成が目的となっています。

観光士の活動
http://www.jtcc.jp/kanko_joho/


観光業界において、マネジメント職の観光士が求められる背景には、次のようなことが挙げられます。

観光庁では、平成20 年度より「観光地域づくり人材シンポジウム」の開催や、「観光地域づくりの取組みに関する調査」の実施等を通じて、地域で人材育成に取組む方々の情報交換、学びあいの場を提供することにより、地域の取組みが自発的に発展していけるよう支援している(観光地域づくり人材シンポジウム)。

 こうしたシンポジウムや調査を実施する中で、地域が人材育成に取組むにあたり、「どのような人材を育成すべきか」、「どのような知識やスキルを教育したらよいのか」など教育内容やノウハウ等に対する情報のニーズが高いことが明らかとなっています。

観光市場は、「食べる」、「買う」、「体験する」、「交流する」、「集う」の時代へ

 「観光系大学」看板倒れ 業界就職は卒業生のたった2割(産経新聞)

「観光立国」を目指し2008年10月に発足した観光庁が“旗振り役”として期待する「観光系大学」で、観光業界に就職する卒業生が2割にとどまっている。経営能力を期待する業界に対し、大学のカリキュラムは歴史や地理重視とギャップがあるのが要因。観光庁は「業界が求める人材を育てられていない」として、大学のモデルカリキュラム作りに乗り出した。(滝口亜希) 
景気悪化の影響で苦戦を強いられている観光業界からは「経営が厳しい中で、一人でも専門性のある人材がほしい」という声が寄せられ、「人材ニーズはむしろ高まっている」(観光庁)。 しかし、国土交通省が平成16〜18年度に観光系学部・学科を卒業した学生に行った進路調査では、旅行業が8%、宿泊業が7%、旅客鉄道業が5%。観光業界全体でも23%という寂しい結果だった。  こうした背景について、観光庁観光資源課では「まだ新しい分野のため、企業が欲しがる人材像を、大学側がつかみきれていないため」と分析する。

 観光庁が観光関連企業を対象に「求める人材像」を調査したところ ▽管理職・リーダーとしての素質・適性 ▽どの部門にも対応できる基礎能力 ▽社会人としての常識・マナー などの回答が多く、同課は「経営全般について学んでほしいというニーズが見られる」。

 しかし、国内の観光系学科・学部のカリキュラムでは歴史、政治、地理などの社会科学系分野を重視する傾向にあり、経営に関しては軽く触れる程度。卒業生の約半分が観光業界に就職する米コーネル大学が、カリキュラムの66・7%を経営分野に割いているのとは対照的だ。 
大手ホテルチェーンで採用にかかわった経験がある琉球大学観光産業科学部の上地恵龍教授は「学生にはマーケティングを学んできてほしかったが、実際は違った」と振り返る。 ギャップを埋めようと観光庁は昨年11月、ワーキンググループを立ち上げ、今年度末をめどに、観光業界への就職につながるカリキュラム作りに着手した。業界が求める経営やマーケティング能力育成などを盛り込む予定だ。観光庁は「観光系大学が求められる人材を育てることで業界が活性化すれば」と話している。

 産経記事新聞から(2009年) 

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観光に関する懇談会(観光庁ホームページから引用)
観光に関する懇談会(第1 回〜第4 回の重要と思われる意見を抜粋させていただきました。観光庁に期待する意見も多数ありました。)

・ 観光についての教育は大切である。国内の歴史・文化をしっかり教えるべきである。
・ 日本の大学における観光学は、まだまだレベルが低い。また、卒業しても就職先がないなど、産学双方からあまり評価されてないのが実情。産学双方が相当の危機感・覚悟をもって連携を拡大させていくことが必要。 
・ 現在は、観光学を学んでも就職先があるのかなど心配されているし、観光学は「何を教えればよいのか」の段階で躓いている印象を受けるが、まずは歴史・文化・伝統をじっくり教えるべき。 これをしっかり身につけている人材であれば、産業界からも必要とされるので、卒業後の就職で困ることはないのでは。
 ・ 民間の立場からは観光産業の重要性を各所でアピールすべき。
・ 観光学は観光産業からあまり期待されていないと感じる。産学官連携に力を入れて、産業界から大学側へ「このような人材を育成してほしい」と要望できるような仕組みを作ってほしい。
 ・ 日本では大学で学んだことが実務で役に立たないということが多いが、観光学にあっては実務に活かすことができる内容を大学で教育してほしい。そのためには、大学のレベルアップが必要だ。
 ・ 地方には大学生の就職先が用意されていない。学生が自分たちの地域に誇りを持って地域づくりに取り組むことができるような機会を与える必要がある。
 ・ 観光業界全体の魅力向上が必要だ。観光はこれからの日本にとって非常に重要な分野であることを広くアピールしていかねばならない。
・ 地域では、自治体の枠を超えた幅広い活動が行われている。国の組織が縦割りのままでは、この流れに対応できない。縦割りを廃し、総合力を活かすことが重要だ。
・ 観光振興のためには「連携と協働」が最も重要だ。観光庁には、官民、産学、農商工、そして省庁間の連携のためのコーディネーター役を期待する。また、また、インフラのみならず、教育などソフト面も含めた基盤整備もお願いしたい。 
・ 「観光する心」を広めてもらいたい。心を込めて郷土を見て、訪れる人をもてなす気持ちを持てば、そこにコミュニケーションが発生して文化が生まれる。観光とは文化事業であって国策であるという意識を広めていただきたい。
・ 景観や地場産品は立派な観光資源であって、観光地域づくりのためには、自治体首長の意識改革が必要だ。長野県飯田市では、体験農業を企画し、多くの人が訪れるようになった。
・ 観光は、決して「物見遊山」ではなく文化活動であり、異文化間の交流を生むことで国際平和にも資するということをアピールしてほしい。
 ・ ツーリズム産業はまだまだ課題が多い。国内の大手旅行代理店の取扱いのうち、インバウンドに関するものはわずか1.4%であるのが現実である。今後、「連携と協働」を実践していきたい。 
・ 都市と農村の交流、そして産学の連携が重要である。大手旅行代理店が、新入社員に日本地理を一から教えなければいけないような現状はおかしい。
・ 研究開発は観光の分野でも非常に重要であり、ニューツーリズムに代表されるような次世代の観光のあり方を研究していくことが必要だ。

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 このような指摘がある中、20世紀に発展した観光も、その行動が変化し「見る」観光から「食べる」、「買う」、「体験する」、「交流する」、「集う」という要素がますます強くなっている。
さらに、成熟化社会の到来により、観光者のニーズはますます「知的好奇心」や「知的精神的快楽」追求が重要視され、観光のライフスタイルも大きく変化している。これは都市観光においても同様であり、魅力的都市観光のあるべき要素として「見る、買う、食べる、集う、憩う」の5つが都市観光のもっとも重要な要素となっている。

 これに加えて、新たに「体験する」、「交流する」というキーワードが重要になってきている。また、観光者が街を「回遊」することが都市型観光のもっとも大きな魅力要素となっている。したがって、観光は今「自分独自の観光」であり、「どこへ行くか」ではなく、「何しに行くか」の観光であり、見るだけの観光から学習体験観光が増大し、職場などの団体旅行ではなく、気のあった友人やひとりで楽しむ観光が拡大している。

 「地域資源と観光資源」を活かした振興化策においては、地域ブランド戦略の構築とマーケティングが大切である。さらに、地域のブランド化をすすめていくためには、地域ブランドには「二つの側面」があることを理解する必要がある。
 ひとつは、地域そのもののエリア・アイデンティティ=地域ブランドの構築と確立であり、ひとつは、地域そのもののエリア・アイデンティティ=地域ブランドの確立であり、もうひとつは、商品ブランドとしての「地域特産ブランド」(特産品と特産物)を含む観光商品である。
 地域ブランドによるエリア・アイデンティティの確立は、地域のブランドイメージを向上し、広くモノやサービスが売れるという経済的効果のほかに、地域を活性化し、雇用を促進するという効果がある。

 観光産業は裾野が広く、その波及効果も高い。今後は、農林畜水産・商・工連携や農林畜水産・商・工と観光連携(農商工観光連携)など、官民が一体となった幅広い活動が必要と言える。

 その意味では、農山漁村には、その地域の特色ある農林水産物、美しい景観など、長い歴史の中で培ってきた貴重な資源がたくさんある。 農商工観光連携とは、このような資源を有効に活用するため、農林漁業者と商工業者、観光事業者の方々がお互いの「技術」や「ノウハウ」を持ち寄って、新しい商品やサービスの開発・提供、販路の拡大などに取り組む事業活動である。 いままで、(社)日本販路コーディネータ協会は、公的支援事業、研修活動、資格認定活動などを、全国各地で実施させていただいた。 そのどの地域においても、地域資源は多様な分野にわたり、特に農林水産物資源、観光資源に恵まれていた。 日本の各地には、それぞれ人が住み始めたころからの歴史があり、たとえば数百年継承してきた技術などには、それを有効とさせてきた地域の人々の知恵と努力が 凝縮されてできたものが数多くある。 それは単なるアイデア倒れにならずに「ものづくり」にこだわることができたからだと考えている。 今、地域資源、観光資源等と融合した商品開発による商品・サービスの育成が望まれている。

また、社会の変化を捉えることも重要である。

@インターネットの普及は、着地型観光が飛躍的に拡大している最大の要因とも言えるが、旅行代理店を通さず、顧客がダイレクトに交通機関、宿泊施設などを予約できるようになったことである。 これは、数年前から旅行代理店の収益が悪化し、また、観光客がどこへ行き、どのような行動をしているのか(観光マーケティング)が分かりにくくなっている要因であるが、それだけニーズの多様化が起きたとも言える。観光消費活動は、運輸・宿泊・旅行サービス・レジャー施設、飲食・農林畜水産・加工製造・小売・土産物店など、その裾野が広範に渡っているため、産業全体への波及効果が高い。多様で、裾野の広い分野を持つ、観光業界にあって、マーケティング能力のある人材育成が求められている。

A消費者の観光ニーズの成熟化により、本物志向になってきたことがその背景にある。例えば、着地型観光では、今までマスツーリズム型の旅行会社が取り上げなかった地域、文化度の高い地域、あまり大勢でがやがやと行くのにはふさわしくない地域なども観光の対象となったことである。 見るだけでなく何か体験をしてみたいという要求が高まってきている。しかし、発地型観光が主流を占める旅行会社が現地に行って体験ツアー商品を考えるのも限度がある。また、計画的に個人、友人、家族で行けるマイカーの使用など、移動手段の選択肢が増えたということも挙げられる。ここには、二次交通の拡大・整備という課題もある。 

B一方、観光立国を目指すわが国では、今後着地型観光に活路を見出す工夫が求められている。とりわけ、外国人観光客の増加に対応した地域での企画等の欠落がある。 例えば、日本文化にスポットをあてたり、ショッピングや食の体感、また国の発展、趣味嗜好変化等によりそのニーズを捉えながら、対応の充実を図る、さらに、個々人の趣味趣向に合わせるというように、きめ細かい対応が求められている。今後は、観光立国を目指すわが国として、マスツーリズム型ではない需要を掘り起こし、世界から観光客を集めることが重要になる。そこで、企画マネジメントができる人材が求められる。

C次に、地場産業の衰退である。地域の地場産業が衰退して、活性化が図れなくなった地域が、観光で集客を図ることが多くなっている。従来の旅行から観光の推進により、観光業界におけるマネジメント人材の育成を推進することにより、地域活性化を目指すことができる。さらに、新たな観光商品の開発は、『街づくり』への支援になる。そこでは、企業、観光関連事業者、行政、公益法人などを含め、地域活性化のためのマネジメントとマーケティングの基礎知識とスキルを持った人材が求められる。    

 特に観光のマネジメント人材の育成については、文化や歴史、観光学や固有の観光関連知識だけでなく、マネジメント、マーケティング、営業、広報、商品開発などの活動の役割がになえるように、幅広い分野の知識が必要となる。今後の観光産業の人材は、地域特産ブランド、商品開発、販売管理、プロモーション、飲食業、物販業、宿泊業、店舗や観光施設管理などの分野を、ある程度理解しながらも、さらに街づくりなどへの参画が必要となり、その裾野分野が広い観光業界では、多様な役割が求められる。また観光産業界側からは、理論と実践の有機的な結合により、理論のみならず具体的な実行力を伴った人材の育成が強く求められている。

観光士の受験ガイド
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